ヤドカリの住み替え、シッタカ貝ありがとう

ヤドカリ

ヤドカリ(スベスベ氏)は、食欲旺盛である。水面にエサをあげると、即座に、大きな貝殻を各所にぶつけながら、いそいそとライブロックから降りてきて、降ってくるエサを確保しにかかる。

そのかいあってか、いつまでも小さくてかわいらしいサイズでいてほしいというこちらの希望はよそに、まだ迎え入れて二か月ほどだというのに、もう二回目の住み替えを行うほどに成長している。

ヤドカリは、もはやたくましいというほどまでに、自分の道を突き進む。行く手に大きなウミキノコがあろうとも、回り道をしたり引き返したりせず、ウミキノコにぶつかりながらも強引に進んでいく。つい昨晩には、鋭い脚をしているにもかかわらず、何のためらいもなくナマコに登りはじめ、足元の不安定さを自覚しつつもナマコの全身を歩き回るという行動に出て、嫌がる(痛がる?)がナマコが腸をはかないかとこちらをひやひやさせたものだった。

とはいえ、こんなマイペースで周りを顧みないヤドカリを、我々はなぜか憎めない。